「水漏れした時にすること」と「安全な修理業者を探す方法」

水道

「家の中の水道管から水漏れしているけど、どこの修理業者に修理してもらったら良いかわからない…」「水道料金が前の月よりかなり増えたけどもしかして水漏れしている?」など、水漏れや水漏れ疑惑があった時の対応がわからない方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、そのような方の悩みを解決するために、以前水道関係の仕事に携わっていた私が「家の中で水漏れを発見した時にすること」「安全な修理業者を探す方法」を書いていけたらと思います。

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水漏れ箇所の特定方法

水漏れまたは水漏れの疑惑があった時はどこで漏れている可能性があるのかを特定しないといけません。まずは、水が漏れている箇所の特定方法について書いていきます。

家の外で水漏れしている場合

家の庭が晴れの日でも湿っている 」「家の外で常に水の流れる音がしている」という方は、もしかすると家の外で水漏れしているかもしれません。確認方法としては次の1~5の手順で行います。

1.家の蛇口を完全に閉める
2.水道メータの指針を確認
3.水道の元栓(止水栓)を閉める
4.水の流れる音などの確認

5.水道局へ連絡

家の蛇口を完全に閉める

まずは、家の中にあるすべての蛇口をきちんと閉めて下さい。1ヶ所でも閉め忘れると、漏水箇所がわからなくなります。

水道メータの指針を確認

家の中にあるすべての蛇口を閉めたら、水道メータの指針(パイロット)を確認します。水道メータの場所は、家の外にあるメータボックスの中(写真参照)にあります。

賃貸やマンションに住んでいて水道メータの場所が分からない方は、管理人や管理会社に連絡して場所を教えてもらいましょう。

水道のメータボックス
メータボックスの中

水道メータを拡大すると、下の写真のようになっており、この中で今回注目する箇所は④のパイロットです。

家の中の蛇口をすべて閉めたのにこのパイロットが少しでも回っていれば、水道メータから蛇口の間のどこかで水漏れが発生しています。

①1m3(1000リットル)単位の読み

②10リットル目盛

③1リットル目盛

④パイロット。水道を使用すると回転する

水道の元栓(止水栓)を閉める

次に、家の中全体の水道が止まる元栓(止水栓)を完全に閉めてみましょう。

水道の止水栓は基本的にメータボックスの中にあります。

古い家などは、水道メータと止水栓が離れて設置されている場合もあるので、メータボックスの中に止水栓が無い場合は、近くに止水栓が無いか探しましょう。

水の流れる音などの確認

水道の止水栓を閉めた後、数分~数時間しばらくそのままにしておいて下さい。夜寝る前に止水栓を閉めて朝確認すると一番分かりやすいかもしれません。

もし、止水栓を閉めてから「湿っていた箇所乾いた」、「家の外で水の流れる音が止まった」場合は、その場所で水漏れしている可能性がありますので確認してみましょう。

水道局へ連絡

止水栓を閉めても 「湿っている」、「水の流れる音が継続している」場合は、水道メータより1次側から水漏れしている場合があります。

その際は、自分が住んている市町村の水道局に連絡すれば無料で修理してくれますので水道局へ1度電話してみて下さい。

「水道管が水漏れした際、個人で修理する範囲は?」については、以下記事もご参考下さい。

引用元:大阪広域水道企業団HPより

家の中で水漏れしている場合

家の外では水漏れしてそうにない 」「家の中で濡れている場所がある」という方は、家の中で水漏れしているかもしれません。確認方法としては次の1~4の手順で行います。

1.家の蛇口を完全に閉める
2.水道メータの指針を確認
3.各蛇口の元栓(止水栓)を閉める
4.水道メータの指針を再確認

家の蛇口を完全に閉める

「家の外で水漏れしている場合」と方法は同じです。

水道メータの指針を確認

「家の外で水漏れしている場合」と方法は同じです。

各蛇口の元栓(止水栓)を閉める

洗面所、キッチン、洗濯機、トイレなど水が出る場所の直前には必ず止水栓が付いています。その止水栓をどれか1つだけ閉めてみましょう。

止水栓にはネジタイプハンドルタイプがあります。ネジタイプの場合は、マイナスドライバーなど先が細い工具を使用して止める必要があります。

ネジタイプ止水栓の例
ハンドルタイプ止水栓の例

水道メータの指針を再確認

止水栓を閉めた後に水道メータを再確認してみて下さい。そこでパイロットが止まっていれば止水栓を閉めた蛇口付近で水漏れしていることはほぼ間違いないでしょう。

もしまだパイロットが回っている場合は、他の蛇口の止水栓も順番に試してみて下さい。

すべての止水栓を閉めてもパイロットが回っている場合は、メータボックスから各蛇口までの配管で水漏れしているため、個人では水漏れ箇所を調べることが困難です。その際は、修理業者にお願いして調べてもらうしかないでしょう。

水漏れ箇所に検討がつかない場合

「水漏れしているかわからないけど 水道料金が前の月よりかなり増えた 」という方については、「家の外で水漏れしている場合」と「家の中で水漏れしている場合」の手順を一度試してみて下さい。

もしかすると原因がわかるかもしれません。

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漏水量の確認方法

水漏れが発見された場合は、どれだけ漏れているのかをある程度確認をすることが出来ます。その量によってはすぐに修理しないといけないのかまだ修理しなくて大丈夫なのかを考えることが出来るでしょう。確認方法としては次の1~3の手順で行います。

1.家の蛇口を完全に閉める
2.メータの指針を確認
3.水道料金を計算する

漏水量の確認

家の蛇口を完全に閉める

まずは、家の中にあるすべての蛇口をきちんと閉めて下さい。1ヶ所でも閉め忘れると、正確な漏水量が測定出来なくなります。

メータの指針を確認

水道メータを拡大すると、下の写真のようになっており、漏水量を測定するには①~③の目盛を使用します。

①~④の目盛の説明は以下の通りです。

①1m3(1000ℓ)単位の読み。例の場合は55.3m3
②10ℓ目盛の読み。例の場合は6ℓ。
③1ℓ目盛の読み。例の場合は2ℓ。
④パイロット。水道を使用すると回転する。

まとめると現在この水道メータの指針は55.362m3を示しています。

これを参考に漏水量を計測します。

<確認方法>
蛇口をすべて閉めてから、始まりの水道メータの指針を覚えておきましょう(写真で撮るのがおすすめ)。
その後、きりの良い時間(1時間~数時間程度)そのままにしておいて下さい。長い時間置いておくほど正確な数値を出すことが出来ます。

自分で決めた時間が経過すると、水道メータの指針を再度読んでみて下さい。その差し引きで放置していた時間当たりの漏水量がわかります。

【例】

蛇口を閉めた時の指針:
1m3目盛50.6、10ℓ目盛5、1ℓ目盛3
1時間経過後の指針:
1m3目盛50.6、10ℓ目盛7、1ℓ目盛5
漏水量:
50.675m3-50.653m3=0.022m3=22ℓ

つまり、1時間で22ℓ漏水していることになります。

これを1ヶ月(30日)に換算すると、22ℓ×24時間×30日=15,840ℓ=15.84m3となります。

水道料金の計算

1ヶ月15.84m3がどれくらいの料金になるのかイメージが湧かないですよね。もし大阪市で15.84m3使用した場合にどれだけの水道料金になるのかを大阪市が公表している早見表を使って計算してみます。

なお、水道料金が増えるとそれに伴う下水道料金も比例して増えていくので2つの合算値で計算します。

■普段1ヶ月10m3使う方の場合
10m3使用=1,650円
10m3使用+漏水量15m3=4,526円
差し引きで1ヶ月2,876円増える

■普段1ヶ月20m3使う方の場合
20m3使用=3,388円
20m3使用+漏水量15m3=7,155円
差し引きで1ヶ月3,767円増える

■普段1ヶ月30m3使う方の場合
30m3使用=5,665円
30m3使用+漏水量15m3=10,136円
差し引きで1ヶ月4,471円増える

大阪市の料金で計算すると、水道を日頃多く使用する方ほど漏水量が増えた時に負担が増えることがわかりました。

この計算を実際自分が住んでいる市町村のHPを見て行ってみて下さい。その金額を見てすぐに修理しないといけないのかまだ修理しなくて大丈夫なのかを考えてみてはどうでしょうか。

安全な修理業者の探し方

最近、マグネット広告の水道修理業者がぼったくり修理をしていたと怖いニュースがありました。身近に宣伝している企業でもこのようなぼったくり被害があると、どこに修理を依頼したら良いのか分からないですよね。

本記事ではぼったくりな料金を取られない修理業者の選び方を書いていきます。

結論からいうと、以下の通りになります。

指定給水装置工事事業者に依頼すること
マグネットなど広告の修理業者には極力依頼しない方が良い」

なぜこの結論になるのか解説していきます。

指定給水装置工事事業者

指定給水装置工事事業者とは

指定給水装置工事事業者とは、市町村などの水道事業者に水道工事をすることを認められた専門的な知識と技術を持っている工事事業者です。

事業者が拠点のある市町村に対して指定給水装置工事事業者の登録申請を行い、市町村が認めればその市町村の指定給水装置工事事業者になることが出来ます。

つまり、市町村がある程度信用している事業者ということです。

探し方

■市町村のHPから確認

指定給水装置工事事業者は、市町村のHPから確認することが出来ます。

自分が住んでいる市町村のHPから指定給水装置工事事業者の一覧を探し、その中から知っている事業者や家の近くにある事業者に連絡するのが良いでしょう。

【例】大阪市の指定給水装置工事事業者

大阪市指定給水装置工事事業者一覧
 大阪市指定給水装置工事事業者一覧(修繕等の対応が可能な事業者の一覧につきましては、「水漏れ修繕対応可能な指定給水装置工事事業者一覧」をご覧ください。) 一覧大阪市指定給水装置工事事業者一覧水漏れ修繕対応可能な指定給水装置工事事業者一覧

■市町村の水道局へ電話

HPを見ても探し出せない、HPを見れないという方は自分が住んでいる市町村の水道局に直接電話してみましょう。住んでいる地域を言えば、家の近くにある指定給水装置工事事業者を何社か教えてくれます。

メリット

指定給水装置工事事業者に修理依頼するメリットをまとめると以下の通りです。

ぼったくり被害が少ない
親身になって話を聞いてくれる
水道の知識、技術がある
次の機会にまた依頼しやすくなる

減免申請が出来る(後で説明)

やはり一番のメリットはぼったくり被害が少ないことです。地元の事業者ばかりのため、無茶な価格で仕事をしていると噂がたって仕事が無くなってしまいますからね…。良心的な値段の事業者が多いと思います。

また、専門的な知識と技術は間違いなくあるので信頼も出来ますし、地元の事業者なので親身に話を聞いてくれる場合も多いでしょう。

デメリット

指定給水装置工事事業者に修理依頼するデメリットをまとめると以下の通りです。

電話が繋がらない
24時間365日対応ではない

指定給水装置工事事業者は、水漏れの修理対応だけで無く他の仕事もしていることが多いため、事務所に電話しても繋がらない可能性があります。

また、営業日や営業時間が24時間365日では無いため、修理依頼の日程は考えないといけません。

広告を出している修理業者

探し方

インターネットで「水漏れ 修理業者」などで検索をかけると多くの修理業者が出てきますので、その中から選びましょう。

メリット

広告を出している修理業者に修理依頼するメリットは以下の通りです。

24時間365日対応

24時間365日対応可能な修理業者が多いので、年末年始などの長期休みの時に修理したい場合はおすすめかもしれません。

個人的にメリットはこれしか無いかなと思います…。

デメリット

広告を出している修理業者に修理依頼するデメリットは以下の通りです。

ぼったくり被害に合う可能性がある
減免申請が出来ない

ネットを見ててもぼったくり被害にあった報告が良く見られます。

見積段階では安い価格を提案していても、実際に工事すると追加料金が発生したと言って価格を上げる悪徳な修理業者が多いみたいです。

すべてがそのような修理業者では無いと思いますが、修理を依頼する際は条件を色々聞いてから工事してもらった方が良いと思います。

結論

水道が水漏れした場合の修理は、必ず市町村指定の指定給水装置工事事業者に依頼して下さい。

可能ならば何社かに工事内容と金額を見積しましょう。その中で価格が合う事業者にお願いするのが良いと思います。

賃貸やマンションに住んでいる方で水漏れを見つけた場合は、まず管理人や管理会社に連絡してみましょう。管理会社が修理業者を手配したり、費用を負担してくれたりするかもしれません。

水道の減免について

指定給水装置工事事業者が修理を行うと、水道の減免申請を行うことが出来ます。(指定給水装置工事事業者以外が修理した場合は出来ません。)

水道の減免とは

「指定給水装置工事事業者が修理を行うこと」などの一定の条件を満たすと、漏水した水量の一部を使っていない水量と仮定して水道料金の減額を申請することが出来る制度です。

減免の条件と申請方法

減免の条件は「過去1年に同一箇所において漏水減免を受けていないこと」、「修理完了日が漏水発見後2ヶ月以内であること」など各市町村によって異なりますので、市町村のHPで確認を行って下さい。

市町村によって減免水量は異なりますが、直近2ヶ月分の水量が対象漏水量の50%~80%を減額するところが多いです。

申請方法は、市町村のHPに申請書がありますのでそれを提出して下さい。「申請日が修理終了後3ヶ月以内であること」といった条件がある市町村もあるので、修理が終わったら出来るだけ早く申請を出しましょう。

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