フットサルとサッカーはどちらも足でボールを蹴るスポーツですが、それぞれルールやプレー方法が全く違います。
本記事では、フットサルやサッカーを始めたばかりの初心者でもわかるように、それぞれの違いについて写真などを入れながら解説していきます。
ルールの違い
フットサルとサッカーは一見似たようなスポーツですが、ルールが全然違います。それぞれの違いを比較していきます。
1.プレー人数
フットサルとサッカーではプレー人数が違います。
それぞれゴールキーパーを含む人数で、フットサルは1チーム5人、サッカーは1チーム11人となります。
サッカーはある程度ポジションが決まっておりますが、フットサルは5人と少ない人数のため、全員で攻撃、全員で守備をすることが多いです。
・フットサル … 1チーム5人
・サッカー … 1チーム11人
2.コート(ゴール)の大きさ
コートの大きさは、フットサルが20m×40m、サッカーが68m×105mになります。
面積だとフットサルコートはサッカーコートに比べて1/9のサイズしかありません。そのため、フットサルは1人当たりのプレーエリアが狭い傾向です。
ゴールの大きさは、フットサルが2m×3m、サッカーが2.44m×7.32mでフットサルの方が小さいですが、その分コートが小さいためフットサルの方がゴールが入りやすいです。
■フットサルコート寸法
■サッカーコート寸法
・フットサルコート … 20m~40m
・サッカーコート … 68m×105m
・フットサルゴール … 2m×3m
・サッカーゴール … 2.44m×7.32m
3.コートの種類
フットサルは、基本的には屋内の木や人工材質(スポーツコート)でプレーし、サッカーは、屋外の人工芝or天然芝でプレーします。
普段の練習や私たちが趣味でプレーする時は、芝の上でフットサルをしたり、土の上でサッカーをしたりする場合もあります。
■フットサルコート
■サッカーコート
・フットサル … 屋内の木や人工材質
・サッカー … 屋外の人工芝or天然芝
4.シューズ
フットサルは木や人工材質のコートが傷つかないように靴底が飴色か白色でフラットになっているシューズを使用します。(芝のコートでフットサルをする場合はトレーニングシューズを使用する場合もあります。)
サッカーは芝のコートのため、滑らないようにスパイクを使用します。
■フットサルシューズ(室内用)
■サッカースパイク
■トレーニングシューズ
・フットサル … 靴底が飴色か白色でフラットのシューズを使用
・サッカー … スパイクを使用
5.ボール
フットサルは直径20.5cmの4号球(ローバウンド)、サッカー(13歳以上)は直径22cmの5号球を使用します。
サッカーボールは地面に着くと大きく跳ねますが、フットサルボールはローバウンドのため、あまり跳ねないのが特徴です。
フットサルがローバウンドのボールを採用している理由は、コートが狭いため良く跳ねるとすぐにプレーが切れてしまう可能性があるからです。
フットサルボールを触った後にサッカーボールを触ると、良く跳ねるためトラップが非常に難しく感じてしまいます。
■ボールのイメージ
画像では全く同じに見えますが…実物を見ると大きさの違いが一目瞭然です。近くのスポーツショップなどで一度実物を見てみるとイメージが湧くと思います。
・フットサル … 4号球(ローバウンド)を使用
・サッカー … 5号球を使用
6.プレー時間
フットサルはタイムキーパーが時間を計測し、プレーイングタイムで40分(前半後半の20分ハーフ)です。
サッカーは主審が時間を計測し、ランニングタイムで90分(前半後半の45分ハーフ)です。
「プレーイングタイム」とは、ボールがコート内にある時しか時間が動きません(ボールが外に出ると時間が止まります)。そのため、フットサルにはアディッショナルタイムがありません。
「ランニングタイム」とは、一度試合が始まれば時間が止まりません。ボールが外に出た時間、怪我などでプレーが止まっている時間などは45分経過後アディッショナルタイムとして時間を上乗せされます。
・フットサル … プレーイングタイムで20分ハーフ
・サッカー … ランニングタイムで45分ハーフ
7.選手交代・タイムアウト
フットサルの選手交代はいつでも自由です。ピッチ内の5人とベンチの交代要員(最大7人)が、いつでも入れ替わることが出来ます。一度交代でピッチ外に出た選手でも再びピッチに戻ることが出来ます。
サッカーの選手交代はアウトオブプレー(ボールがピッチ外に出た)時、審判の承認を得て3人まで可能です。下の写真のようにボードで交代選手を指名し、交代します。一度交代でピッチ外に出た選手は再びピッチに戻ることは出来ません。
また、フットサルでは各チーム前後半1回ずつ1分間のタイムアウトを要求できます。その時間でベンチに帰って戦術の確認などをします。サッカーにはタイムアウトはありません。
・フットサルの交代は、何回でも自由
・サッカーの交代は、3人まで可能
・フットサルは、タイムアウトがある
8.プレーの再開方法と4秒ルール
ボールがタッチラインを超えた時、フットサルは足でフィールドに蹴り入れるキックインで再開します。サッカーは手でフィールドに投げ入れるスローインで再開します。
攻撃側がボールをゴールラインから出した時、フットサルはゴールキーパーがペナルティーエリア内から手で投げて再開します。サッカーはゴールキックで再開します。
フットサルでは、4秒ルールがあり、アウトオブプレー時(ボールがフィールドから出た時)は、4秒以内にキックインしないと相手ボールとなるので注意しないといけません。
サッカーには4秒ルールはありませんが、あからさまに時間稼ぎするとカードが出ます。
・プレー再開方法が全く違う
・フットサルは、4秒ルールがある
9.レフェリー(審判)
フットサルのレフェリーは、主審・第2審判・第3審判・タイムキーパーの4人です。主審、第2審判が笛を吹くことが出来ます。
サッカーのレフェリーは、主審・副審2人・第4の審判の4人です。主審のみ笛を吹くことが出来ます。副審は旗を持っており、オフサイド、ファールなどがあった場合は旗を振り主審に伝えます。
・フットサル … 主審・第2審判・第3審判・タイムキーパー
・サッカー … 主審・副審2人・第4の審判
10.ファール・退場後の補充
フットサルとサッカーでフィジカルコンタクトの反則は同じ基準ですが、フットサルはショルダーチャージ、スライディングタックルがファールになります。
フットサルでは各チーム6つ目以降の反則を犯すと、第2ペナルティーマークから壁無しの直接フリーキックが相手チームに与えられます。サッカーではこのようなルールはありません。
選手が退場となった場合、サッカーではプレーヤーの補充は出来ず、少ない人数でプレーをしないといけません。対してフットサルでは選手が退場後、失点をするか2分が経過するとベンチから交代要員の選手を補充できます。
・フットサルは、ファールの判定が厳しい
・選手が退場した際は、サッカーは少ない人数でプレー。フットサルは一定の条件を満たせば選手の補充が出来る。
11.ゴールキーパーへのバックパス
フットサルでは、ゴールキーパーからフィールドプレイヤーにパスをした後は、相手に一度ボールが渡らないと再びボールを触ることか出来ません。触れてしまうと相手チームの間接フリーキックとなります。
しかし、ゴールキーパーがハーフウェイラインより相手側のコートでプレーしている時は、相手に一度ボールが渡っていなくてもボールに触れても良いとなっております。
サッカーでは、バックパスは反則ではないですが、味方から足で蹴られたパスは手で触れられません。(頭でのパスは手で触れてOK)手で触れると相手チームの間接フリーキックとなります。
・フットサル … 基本的にバックパス禁止
・サッカー … バックパスを手で触れてはいけない
12.オフサイド
サッカーにはオフサイドがあります。
オフサイドとは、攻撃側のポジションに関する反則です。
①守備側チームのフィールド内でプレーしている
②パスを受ける選手が「ボール」より「守備側チームのゴールラインに近い」
③パスを受ける選手が「後方から2人目の守備側プレイヤー」より、「ゴールラインの近く」にいる
この3つの条件が揃うとオフサイドになります。
フットサルにはオフサイドがありません。
そのためフットサルでは、相手ゴール前で常に待ち伏せする行為もOKです。
・サッカー … オフサイドがある
・フットサル … オフサイドがない
プレーの方法・戦術の違い
フットサルとサッカーではプレーの方法・戦術も違います。それぞれの違いを比較していきます。
13.ポジション
サッカーはフィールドに選手が11人もいるため、各プレイヤーのポジションがある程度固定されます。
FWは攻め中心、MFは攻守のバランスを取る、DFは守り中心、GKはゴールを守ることが基本になります。
フットサルはFW(ピヴォ)、MF(アラ)、フィクソ(DF)、ゴレイロ(GK)にポジションが分かれていますが、フィールドに選手が5人しかいないため、ポジションが流動的に移り変わります。全員攻撃、全員守備が基本となります。
・サッカー … ポジションがある程度固定
・フットサル … 全員攻撃、全員守備
14.ボールタッチ
サッカーはコートが大きいため、遠くにボールを蹴ることが出来るインサイド、インステップなどを使いドリブル、トラップ、パスを行います。
フットサルはコートが小さいため、細かいタッチが必要となります。そのため、ドリブルやトラップは足裏を使うことが多いです。
・サッカー … インサイドやインステップを使う
・フットサル … 足裏を使う
15.シュート
サッカーのシュートはコースを狙った「インサイドシュート」、強く打つ「インステップシュート」が多く使われます。
フットサルはゴールが小さいため、普通に打つとシュートが入りにくいです。そのため、タイミングを外して打てる「トゥーキックシュート」を使うことが多いです。
・サッカーのシュート … インサイドかインステップ
・フットサルのシュート … トゥーキック
16.パワープレー
サッカーやフットサルでは負けている時、守備を捨てて攻撃に特化した戦術(パワープレー)を取りますが、それぞれ方法が違います。
サッカーのパワープレーは、背の高い選手(DFの選手など)を最前線に配置し、そこに向かって浮き球のボールを上げ得点を狙います。
フットサルのパワープレーは、GK(ゴレイロ)が攻め上がり実質的にフィールドの選手としてボール回しに参加することです。攻撃力は上がりますが、ボールを取られるとあっという間にゴールを奪われる諸刃の剣になるので絶対にボールを取られないようにしないといけません。
・サッカーのパワープレー … 背の高い選手を最前線に配置
・フットサルのパワープレー … GKが攻め上がる
フットサルとサッカーの違いまとめ
今まで書いてきたフットサルとサッカーの違いを表にしてまとめました。
– | フットサル | サッカー |
---|---|---|
プレー人数 | 1チーム5人 | 1チーム11人 |
コートの大きさ | 20m×40m | 68m×105m |
ゴールの大きさ | 2m×3m | 2.44m×7.32m |
コートの種類 | 屋内の木や人工材質(スポーツコート) | 屋外の人工芝or天然芝 |
シューズ | 靴底が飴色か白色でフラットのシューズ | スパイク |
ボール | 4号球(ローバウンド) | 5号球 |
プレー時間 | プレーイングタイムで40分 (前半後半の20分ハーフ) | ランニングタイムで90分 (前半後半の45分ハーフ) |
選手交代 | いつでも何回でも自由 | 審判の承認を得て3人まで |
タイムアウト | 各チーム前後半1回ずつ1分間 | なし |
プレーの再開方法 | タッチラインを超えた時 キックインで再開 ゴールラインを超えた時 手で投げて再開 | タッチラインを超えた時 スローインで再開 ゴールラインを超えた時 ゴールキックで再開 |
4秒ルール | あり | なし |
レフェリー | 主審・第2審判・第3審判・タイムキーパー | 主審・副審2人・第4の審判 |
ファウル | ショルダーチャージ、スライディングタックル がファール | フットサルよりファールの基準が厳しくない |
選手が退場した時 | 一定の条件を満たせば選手の補充が可能 | 少ない人数でプレー |
GKへのバックパス | 基本的にバックパス禁止 | バックパスを手で触れてはいけない |
オフサイド | なし | あり |
ポジション | 全員攻撃、全員守備 | ポジションがある程度固定 |
ボールタッチ | 足裏を使う | インサイド、インステップを使う |
シュート | トゥーキック | インサイドかインステップ |
パワープレー | GKが攻め上がる | 背の高い選手を最前線に配置 |